インフルエンザ
ポイントは5歳未満,特に2歳未満は重症化のリスクが高い
【どんな病気?】
インフルエンザウイルスによる高熱を伴う全身感染症.
【原因】
インフルエンザウイルスA型,B型.
【疫学】
通常11月〜3月ピーク,年末までA型,年明けからB型が流行することが多い.
【感染経路】
飛沫感染.発症1日前から解熱後24時間までは感染源となりうる.
ウイルス排出のピークはA型が発症から24〜48時間,B型が発症48時間と発症後24〜48時間.
【潜伏期(感染〜発症までの時期)】
1〜4日(平均2日).
【症状】
突然の発熱,頭痛,筋痛,倦怠感の後に咳,咽頭痛,鼻水.1歳未満では嘔気・嘔吐,下痢,食欲不振
1歳前後ではインフルエンザ脳症,5歳未満では熱性痙攣,10歳前後は異常行動(急に走りだす,徘徊する)の可能性あり.B型はより筋痛症状が強い.
【診断】
周囲の感染状況から判断してもよく,検査は必須ではない.
特に重症化リスクが高い場合(2歳未満)は検査結果を待たずに治療を開始する.
2歳未満.陰性は除外できず,陽性は他の感染症合併を否定できない.
【経過】
抗インフルエンザ薬の有無に係わらず,1週間程度で徐々によくなる.
1歳未満では咳が長引くことがあり,それ以上では疲れやすさを数週間ほど感じることもある.
5歳未満,特に2歳未満(6ヶ月未満)は肺炎,入院のリスクが高い.
10歳前後は発熱から2日間は異常行動に注意.中耳炎は発症3〜4日目に起こしやすい.
【治療】
5歳未満は重症化リスク高いため抗インフルエンザ薬が推奨.
抗インフルエンザ薬で1日ほど症状が短くなる,ウイルス量排出を減らすと言われているが,周囲への感染率を下げるかどうか不明.タミフルは生後2週および体重2.5kgから使用可.
【予防】
予防接種と飛沫および消毒が基本.
5歳未満は重症化のリスク高いため特に推奨.
抗インフルエンザ薬の予防内服(7〜10日)は保険適用外で自費,接触後48時間以内に開始.1歳未満は推奨されない.