RSウィルス感染症
【どんな病気?】
RSウィルス感染が原因でおこる呼吸器症状
【疫学】
流行時期;以前は冬季が主であったが、近年は夏から流行したり、春~初夏に増加する年など様々。
1歳までに50~70%の児が感染し、3歳頃までにほぼすべての児が感染して免疫を得るといわれている。
【感染経路】
飛沫感染、接触感染
【潜伏期(感染~発症までの時期)】
約4~6日
【症状・経過】
軽症の風邪症状~細気管支炎・肺炎まで様々。
発熱は長い場合は4~5日間、咳がひどく、鼻水も多い。
重症化(頻度は約1/3);細気管支炎・肺炎…喘鳴(=ゼーゼーした呼吸)、多呼吸(=呼吸が速く
なる)、陥没呼吸(=みぞおちあたりが呼吸でベコベコする)、肩呼吸(=肩が大きく上下する
くらいつらそうな呼吸)、チアノーゼ(唇や顔色が紫調に悪くなる)がみられる。
新生児~生後3・4ヶ月頃の児は、無呼吸発作を起こすことがあるため注意。
再感染することもあり、中耳炎を合併することもある。
年長児や成人が重症化することは稀。
【診断】
RSウィルス抗原検査(迅速検査);通常の外来受診では1歳未満が適応。
症状や聴診・レントゲン等から総合的に診断することもあり。
【治療】
ウィルスに対する特効薬は無く、症状に対して内服薬を処方。
重症化の場合は入院して酸素投与、点滴、吸入等。
【予防】
◇低出生体重児・早産児・慢性呼吸器疾患・心疾患・先天性疾患(適応条件があります)の赤ちゃ
んは、重症化予防のためシナジス(モノクローナル抗体の注射)を接種。
◇出生直後の赤ちゃんの重症化予防のため、2024年5月から妊婦さんに(妊娠24~36週の間に)
RSウィルスワクチンが接種できるようになりました。(自費)
◇年長児~成人は手洗い・うがい・マスクなど一般的な予防が基本。