子どものトピックス TOPICS

「2024.8月感染症情報」

食中毒
ポイントは「つけない」「増やさない」「やっつける」

【どんな病気?】
食べ物に付着した細菌・ウイルス,毒素が体内に侵入して発症する

【原因】
細菌(病原性大腸菌,ウェルシュ菌,キャンピロバクター,サルモネラ菌,腸炎ビブリオ,ぶどう球菌),ウイルス(ノロウイルス),自然毒(キノコ,野草,フグ),化学物質(魚のヒスタミン),寄生虫(アニサキス)など

【疫学】
高温多湿の7〜9月に多い 細菌は夏(6〜8月),ウイルスは冬(11〜3月)

【感染経路】
原因となるものが口から体内に入って発症

【潜伏期(感染〜発症までの時期)】
病原性大腸菌(3〜5日),ウェルシュ菌(平均10時間),キャンピロバクター(2〜5日),サルモネラ(8〜48時間),腸炎ビブリオ(8〜24時間),ぶどう球菌(30分〜6時間),ボツリヌス菌(6時間〜10日),ノロウイルス(1〜2日),キノコ(30分〜2時間),野草(10〜20分),フグ(20分〜3時間),ヒスタミン中毒(直後〜1時間以内),アニサキス(十数時間〜数日)

【症状】
腹痛嘔吐,下痢,血便,発熱,しびれ,呼吸苦など
乳児のボツリヌス症は3日以上続く便秘,活気不良,哺乳力低下,弱い鳴き声

【診断】
同じ物を食べた人が同じ症状を起こす,食中毒を起こしやすい食べ物を食べた時に疑う
病原性大腸菌(焼肉,馬刺し,ローストビーフ),ウェルシュ菌(カレーや煮込みなどの大鍋料理)キャンピロバクター(鶏の生焼け)腸炎ビブリオ(魚介類),サルモネラ菌(生卵),ボツリヌス(ハチミツ),ノロウイルス(貝類),ヒスタミン中毒(赤身の魚)

【経過】
原因により経過も様々
低年齢ほど気づくのが遅く,重症化しやすい

【治療】
基本的に対処療法
重症例では抗生物質を使用することもある

【予防】
予防が大切
「つけない」(3歳を過ぎたら生活習慣として手洗いを教える,調理器具の洗浄・消毒)
「増やさない」(新鮮な食材使用),「やっつける」(中心部の色が変わるまで加熱)
加熱で分解されない毒素もあるため注意
1歳未満にはハチミツを与えない
菌がいても殺菌できるようにします
夏季はできるだけ生ものはさける
目視,冷凍(−20℃で24時間以上)加熱(70℃以上)常温で保存せず,速やかに冷蔵庫で保管(エラや内臓に多い),加熱では分解されない
生野菜・果物は食べる前によく洗う,期限内に食べる,開封後は期限にかかわらず速やかに消費する,冷蔵庫に保存(過信しない,リステリアは増える),加熱してから食べる