百日咳
【どんな病気、原因】
百日咳菌による細菌性の呼吸器感染症で、激しい発作性の咳を特徴とします。
今年は全国的に流行がみられ、メディアでも取り上げられているため病名を耳にする機会もあるかと思います。 日本では、生後2ヶ月からの定期ワクチン接種(4種混合もしくは5種混合ワクチン)によって百日咳に対する予防が行われています。しかし、接種完了して時間が経った年長児や学童において、ワクチンの効果が減衰することによる感染の増加が問題となっています。
【感染経路と潜伏期、症状】
主に飛沫感染によって伝播し、潜伏期間は7-10日ほどです。
はじめは軽度の上気道症状(いわゆる風邪のような症状)ではじまり、激しい発作性の咳へと進行し、その後数週から数か月かけてゆっくり回復します。
激しい咳の時期に、連続性の咳嗽発作と吸気性の笛声をくり返し、それに続いて嘔吐するという特徴的な症状を呈します。
ワクチン接種による予防が完了する前の乳児期、特に生後6ヶ月未満や早産児では症状が非典型的なこともあり、重症化の懸念が強くあります。
【治療】
細菌感染症であり、マクロライド系抗菌薬による治療を行います。また乳幼児等で重症化した場合は、呼吸管理を含めた全身管理を要する場合もあります。
【登園・登校と感染対策】
百日咳特有の咳が消失するまで、または5日間の抗菌薬による治療が終了するまでは登園・登校できません。
ワクチンによる予防が第一ですので、生後2ヶ月になったら速やかにワクチン接種を開始し、完了することが重要です。また任意接種になりますが、就学前などに追加のワクチン接種が推奨されています。さらに長引く咳がある場合、特に乳児への接触を避けるようにしてください。