子どものトピックス TOPICS

「2025.7月感染症情報」

 アデノウィルス感染症
【どんな病気・原因、症状】
アデノウィルスの感染症は、「咽頭結膜熱」や「プール熱」と呼ばれることもあります。
典型的には、発熱に咽頭炎や扁桃炎と結膜炎を伴います。
症状は高熱が4-5日続くことが多く、咽頭炎・扁桃炎による喉の痛みや経口摂取不良、
結膜炎による眼脂や目の発赤が主な症状です。
胃腸炎を引き起こし、下痢や嘔吐を伴うこともあります。
以前はプールでの感染拡大がみられたため、「プール熱」と呼ばれることがありますが、
感染対策によってプールでの感染はみられなくなりました。
いわゆる夏風邪の代表疾患ですが、迅速診断キットの普及もあって、
夏以外にも診断されることもあります。
また、症状も発熱と咽頭炎・結膜炎のみで結膜炎を伴わないことも多々みられます。
5-6月頃から、特に保育園・幼稚園で散発的に発症する患児がみられますが、
典型的な患児は少ないです。咽頭炎・扁桃炎の所見や症状と、
周囲の感染状況から検査で診断されることが多いです。
【感染経路・感染対策】
アデノウィルス感染症の感染経路は、飛沫感染や接触感染です。
感染対策としては、石けんと流水での手洗いやうがいなどの基本的な対策と、
タオルなどを共用しないようにすることが重要です。
また、胃腸炎症がある場合は、便や嘔吐物にもウィルスが排泄されているので、
注意してください。
【治療】
アデノウィルスに対する特異的な治療(特効薬)はありません。
発熱、咽頭炎、結膜炎に対する対症療法が中心となります。
上記の様に、発熱は長期間続くことが多く、
児の状態に応じてこまめに解熱剤を投与してください。
経口摂取不良があれば脱水に注意して、
イオン飲料・経口補水液などをこまめに少量ずつ水分摂取してください。
高熱が持続して全身状態が悪い場合、十分な水分摂取ができない場合は、
点滴や入院管理が必要となる事もあります。