子どものトピックス TOPICS

こどもの予防接種について

●定期接種

<四種混合(DPT-IPV(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ))(定期接種)>
①ジフテリア
ジフテリア菌がのどなどについて起こる病気です。この菌は、ジフテリア毒素を大量に出して、神経や心臓の筋肉を侵します。熱が出ますが微熱の場合もあります。のどの奥が白く見えることもあります。のどの炎症がひどく、空気の通り道がふさがることで、そのために死亡することもあります。また神経の麻痺が起こったり、心臓の筋肉に炎症が起こったりして死亡するケースが、現代の欧米でもみられます。

②百日咳
百日咳菌と呼ばれる細菌がのどなどについて起こります。伝染力が強く、子ども同士や大人からもまた、大人へも感染します。最初は鼻水とせきで、かぜと区別がつきません。そのうちに特徴的なせきが出てきて、そのせきの続く時間が長くなります。ひどくなると、息が出来ないくらい咳が続きます。その症状が2~3ヵ月続くことから、「百日咳」と言われる理由です。息ができなくなる無呼吸や、血液の中の酸素が減って、脳症を起こす場合や、けいれんや、知能障害などを起こすこともあります。

③破傷風
破傷風菌が、傷口から入って体の中で増え、筋肉をけいれんさせる破傷風菌毒素を大量に出すために起こる病気です。傷の大小にかかわらず起こります。けがをしてしばらくすると、顔の筋肉を動かしにくくなり、引きつった顔になり、口が開けにくくなってきます。その後全身の筋肉がいっせいに縮んで、けいれんが起こります。意識は侵されることがないので、大変痛く苦しい状態です。人から人へうつる病気ではありません。

④ポリオ
神経が侵されて筋肉が麻痺する病気です。人の便の中に排泄されたポリオウイルスが人の口から入り、咽頭または腸から吸収されて感染します。成人が感染することもありますが、乳幼児がかかることが多い病気です。日本では自然感染による患者発生はありませんが、一部の国では今でもポリオ流行があり、いつ国内に入ってくるかわからないのでワクチン接種は欠かせません。

<ヒブ(インフルエンザ菌B型)>
脳や脊髄を包んでいる髄膜に細菌やウイルスが感染して炎症が起こる病気が髄膜炎です。髄膜炎のなかでも、細菌が原因で発症する「細菌性髄膜炎」は、早期診断がとても難しく、治療後の経過が悪く後遺症が残るなど特に問題となる病気です。「HiB(ヒブ)」と呼ばれる細菌による細菌性髄膜炎(ヒブ髄膜炎)は、5歳未満の乳幼児がかかりやすく、特に生後3ヵ月から2歳になるまではかかりやすいので注意が必要です。2ヵ月から小児用肺炎球菌ワクチンと同時接種で開始し、3ヵ月からは小児用肺炎球菌ワクチン、四種混合(DPT-IPV(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ))、ワクチンとの同時接種で4~5ヵ月までに 終わる方が、早く抗体(免疫)ができるので、より望ましいです。

<小児用肺炎球菌>
肺炎球菌は通常、鼻などに保菌していますが、抵抗力がある場合、何の問題も起りません。しかし小さな子どもは肺炎球菌に対する抵抗力をもっていないため、比較的簡単に肺炎球菌に感染してしまいます。感染の箇所によって、「中耳炎」「肺炎」「菌血症」「細菌性髄膜炎」などを発症します。子どもの肺炎球 菌感染症は、子ども用の肺炎球菌ワクチンで予防できます。2ヵ月の誕生日から開始して、4週(中27日)間隔で3回受け、1歳を過ぎたら追加接種を1回受けます。2ヵ月でヒブワクチンと同時接種で開始して、3ヵ月からはヒブワクチン、四種混合(DPT-IPV(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ))との同時接種で7ヵ月までに最初の3回接種が終わると早く抗体(免疫)ができるので、より望ましいです。

<BCG定期接種>
結核菌による髄膜炎や肺結核を防ぐための予防接種です。先天性免疫不全症の赤ちゃんには接種できません。生後5ヵ月~8ヵ月の期間に1回接種。接種時期は、四種混合(DPT-IPV(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)を3回受けた後の生後5ヵ月ごろが最適です。

<MR(麻しん風しん混合)>
麻しん
麻しんウイルスによって起こる、伝染力は大変強い病気です。約10日の潜伏期の後に、熱、鼻水、せき、目やになどが出ます。発熱3~4日目から体に赤い発疹が出てきます。一般的には高熱が7~10日続きます。合併症も大変起こりやすく、気管支炎、肺炎、脳炎などを起こす場合があります。
国の定期接種は生後12ヵ月からで、1歳代と、小学校入学前の2回、麻しん・風しん混合ワクチンを受けましょう。ただし、地域で大流行している時は生後6ヵ月からの接種が勧められることがあります。

<風しん>
風しんウイルスによって起こる病気です。約2~3週間の潜伏期の後に熱が出て、首のリンパ節が腫れます。熱と同じ頃に体に赤い発しんが出てきます。発熱するのは3~4日間ですが、熱の出ない人もいて、多くの場合はかぜ程度の症状です。妊娠初期の女性がかかると、お腹の子どもに影響が出る場合がありますので、注意しましょう。
国の定期接種は生後12ヵ月からで、1歳代と、小学校入学前の2回、麻しん・風しん混合ワクチンを受けましょう。両親もワクチンを受けていない場合や、抗体がなくなっていれば必ずワクチンを受けてください。

<日本脳炎定期接種>
蚊の血液の中にある日本脳炎ウイルスが、人の体の中に入って感染します。かかっても多くの人は症状が出ませんが、一部の人に脳炎が起こります。日本脳炎のウイルスは豚の血液の中で増殖するので、養豚場の多い地域は注意が必要だといわれています。
1期は、6ヵ月~7歳5ヵ月までの間に3回の接種。1回目を接種後1~4週間空けて2回目を接種し、約1年後に追加接種を1回受けます。
2期は、9歳~12歳に1回接種します。

<水痘(みずぼうそう)>
水痘帯状疱疹ウイルスによって起こる病気です。伝染力は強いものです。感染年齢は生後すぐから多いのは、生後6ヵ月から4歳頃です。保育園での感染も多いです。ふつう2~3週間の潜伏期の後に、熱が出て、体に虫さされのような赤い斑点が出てきます。1日くらいでそれが水ぶくれになり、強いかゆみとともに全身に広がります。熱は数日でおさまり、水ぶくれも黒いかさぶたがつくようになり、7日くらいでおさまります。脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症にも注意しましょう。
国の任意接種では生後12ヵ月からワクチンを受けます。流行しそうなときは必要に応じて1歳前でも接種することがあります。

<おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)>
おたふくかぜウイルスによる感染症です。2~3週間の潜伏期の後に、まず唾液腺(特に耳下腺)が腫れ、その後それ以外にも広がり、膵臓、卵巣、精巣だけでなく、脳を含めて全身に影響が出ます。耳下腺の腫れは、触ってもはっきりしたしこりに触れるわけではありませんが、周囲の人が見ると、腫れているのに気がつきます。しばらくすると反対側も腫れてきます。熱がでることもあります。合併症として、無菌性髄膜炎が100人に2人の割合で起こり、強い頭痛と、嘔吐することもあります。また、約千人に1人、難聴が起こり、片耳だけでなく、両方の耳が侵され完治することが困難といわれています。その他に、脳炎を起こし障害が残り、死亡することもあります。1歳になったら接種することができます。

<B型肝炎>
B型肝炎ウイルスは、体内に入ると肝炎をおこし、長らく肝臓にすみつき、肝硬変や肝臓がんを引き起こします。
B型肝炎は母子感染や輸血だけでなく、知らない間にキャリアになった家族などから子どもへの感染もめずらしくありません。
日本では、妊婦がB型肝炎キャリアかどうかの検査をしているので、母子感染の心配がない子どもは、必ずしも生後すぐに接種する必要はありませんが、3歳未満で感染すると慢性化しやすくなりますので、早く接種すれば免疫もでき易く、将来の肝硬変、肝臓がんを予防できます。
ワクチンは生後すぐから受けられますが、通常は生後1~2ヵ月から接種を始めるのがおすすめで、ヒブ、小児用肺炎球菌、ロタウィルスワクチンとの同時接種も可能です。


●任意接種

ロタウイルス任意接種
ロタウイルスにより、水のような下痢やそれに伴う嘔吐がおこる「ロタウイルス胃腸炎」は、体内の水分と塩分を失い、脱水症状をおこします。
ワクチン接種により、下痢、嘔吐を防いだり、軽くしたりして、点滴や入院が必要になるほどの重症例を減らすことにより、脳炎などの重い合併症も防ぎます。


●患者様ご負担の場合の予防接種料金表(1回分)
※2019年10月1日から料金を変更させていただいております。
※費用は全て税込みとなります 。

種類 自費になる年齢 金額
 BCG  1歳以上  4,800円
 4種混合
(ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオ)

 <DPT-IPV>
 7歳6ヵ月以上  9,300円
 DT2種混合
(ジフテリア・破傷風)
 13歳以上  3,800円
 ヒブ  5歳以上  7,300円
 小児肺炎球菌  6歳以上  10,100円
 不活化ポリオ  7歳6ヵ月以上  8,000円
 MR2種混合
(麻しん・風しん)
 1回目:2歳以上
 2回目:小学校1年生以上
 7,700円
 水痘(みずぼうそう)  3歳以上  7,500円
 日本脳炎  1期初回~1期追加:7歳6ヵ月以上
 2期:13歳以上
 5,900円
 B型肝炎  1歳以上10歳未満(1回0.25㎖)  5,400円
 10歳以上(1回0.5㎖)  5,900円
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