溶連菌感染症
【どんな病気?】
溶血性レンサ球菌(以下、溶連菌)による咽頭炎、扁桃炎など
【原因】
小児科外来での咽頭炎で主に原因になるのはA群溶連菌(化膿レンサ球菌ともいう)
【疫学】
主に5~15歳の小児、時々 成人でもあり。3歳未満は稀。
冬季と春~初夏が多いが、他の季節でもあり。
【感染経路】
唾液や鼻水による飛沫感染、接触感染
【潜伏期(感染~発症までの時期)】
約2~5日
【症状】
咽頭痛、倦怠感、発熱、頭痛、小児では吐き気・嘔吐・腹痛もみられることがある。
苺舌(舌が赤くてブツブツ)、扁桃腺に白い苔状の付着、
発疹(体~手足に広がり、点状から徐々に全体が赤い感じ(びまん性紅斑という)を伴うこともある。
伝染性膿痂疹(とびひ)の原因になることもある。
【診断】
・迅速抗原検査キット…感度(陽性率)は約70~90%。
・咽頭培養検査…感度90~95%であるが、結果が出るまでに1週間程度かかる。
・血液検査…溶連菌の抗体「ASO」と「ASK」の上昇を確認する。(通常外来では行わない)
【経過】
抗菌薬がなくても3~5日で解熱し、1週間ほどで全体の症状が改善するが、抗菌薬投与により
早く改善し、合併症の予防にもつながる。
※無症候性保菌者=咽頭(喉)に保菌している(菌が存在している)が、症状・感染力が無い状態。
小児の5~20%といわれている。
※合併症
①急性糸球体腎炎…感染から2週間前後に発症、血尿・むくみ・倦怠感。
②リウマチ熱…感染から2~3週間後頃に発症、発熱・関節痛・心臓合併症。
③首のリンパ節炎、急性副鼻腔炎、中耳炎など。
【治療】
診断がつき次第、あるいは検査で陰性でも症状から溶連菌を強く疑う場合は、
ペニシリン系抗生物質を10日間内服、またはセフェム系・マクロライド系抗生物質を内服。
※不十分な服薬や周囲からの再感染、または溶連菌そのものの性質などにより、
症状を反復(再燃)することもある。
【出席停止期間】
抗菌薬開始から24時間を経過して、24時間以上発熱が無く、他の症状も改善すれば登園登校可。
通常2~3日間のことが多い。
【予防】
手洗い・うがいなど一般的な予防が基本。