子どものトピックス TOPICS

「2024.4月感染症情報」

感染性胃腸炎(胃腸かぜ)

ポイントは脱水予防と感染予防

【どんな病気?】ウイルスが手指や食品を介して口に入り,ヒトの腸管で増殖し,嘔吐,下痢,腹痛を起こす感染症.

【流行時期】保育園では春と冬がピーク

【原因】アデノウイルス,ノロウイルスなど(ロタウイルスはワクチンで減っている)

【感染経路】感染者の便・吐物,汚染された水・食品(二枚貝など)

【潜伏期(感染〜発症までの時期)】1〜3日(無症状だが感染性あり)

【症状】嘔吐,下痢,腹痛,熱

【経過】1週間程で自然とよくなることが多い.通常,嘔吐(1〜2日)から始まり,その後下痢(約1週間)となる.嘔吐のみ,下痢のみもある.

【治療】自然治癒のため症状に対する対症療法が基本.嘔吐があれば5分毎に最低2時間以上かけて,嘔吐がなければ本人が欲しがるだけ下記を与える.1週間かけて通常の食事に戻す.

【与える物】嘔吐あり→2時間までは,6ヶ月〜1歳未満:母乳・ミルク(薄めない),10mL(小さじ2杯)/回.1〜2歳:経口補水液,リンゴジュース・スポーツドリンク(水で半分に薄める),15mL(小さじ3杯)/回.2歳以上:1〜2歳と同じものを30mL(大さじ1杯)/回.2時間後は欲しがるだけ与える.嘔吐なし→上記を欲しがるだけ与える.

【予防】トイレ後,調理前,食前の手洗い(手拭きは個人専用かペーパータオル),便・吐物の適切な処理,感染者が触れた部位の消毒(次亜塩素酸ナトリウム,換気をしっかりと行う) ,便・吐物の処理は使い捨ての手袋,マスク,エプロン着用.処理後は石鹸と流水で手をしっかりと洗う.

【脱水症状】8時間以上尿が出ない,舌が渇いている(唇の乾燥は参考にならない)機嫌が悪い,ぐったりしている,立てない場合,点滴が必要な可能性あり,医療機関を早めに受診.