子どものトピックス TOPICS

「2025.3月感染症情報」

ヒトメタニューモウィルス感染症

【どんな病気?】
ヒト・メタニューモウィルス(以下hMPV)感染が原因でおこる呼吸器症状
《豆知識》
hMPVは以前から世界中に存在していましたが、2001年(平成13年)にオランダの研究グループにより
初めて発見されました。長い医療の歴史からすると、比較的最近なのです。

【疫学】
一年中みられるが、3~6月頃の流行が多い。
1~2歳が最も多い。
10歳頃までに一度は感染し、抗体(免疫)をもつといわれている。

【感染経路】
飛沫感染、接触感染

【潜伏期(感染~発症までの時期)】
約4~6日

【症状・経過】
発熱、咳、鼻水。悪化すると喘鳴(ゼーゼー)、呼吸困難。
概ね1週間ほどで症状は改善するが、ウィルス排泄期間は7~14日と長め。
年長児や成人は“かぜ症状”程度が多いが、
乳幼児や高齢者で重症化する(細気管支炎、喘息性気管支炎、肺炎など)こともある。
再感染することもあるが、年齢が上がるにつれて症状が軽くなることが多い。

【診断】
hMPV抗原検査(迅速検査) … 6歳未満が保険適応。
症状や聴診・レントゲン等から総合的に診断することもあり。

【治療】
ウィルスに対する特効薬は無く、症状に対して内服薬を処方。
重症化の場合は入院して酸素投与、点滴、吸入等。
※発熱は4~5日続くこともあるが、長い場合は中耳炎や細菌感染を合併していないか、確認して
いくことが必要。

【予防】
手洗い・うがい・マスクなど一般的な予防が基本。
症状が治まれば登園・登校は可。