●気管支喘息
<原因>
生活環境が大きく関わっていると言われており排気ガスや工場排煙、タバコの煙、住宅建材に使われている塗料など、また、食品添加物やペットの毛、ハウスダストなどが待っている中で呼吸をすると空気の通り道(気道)が、アレルギーなどの炎症や、運動、ストレスなどによって敏感になり、けいれんを起こして狭くなることで起こります。
<症状>
主な症状は息が荒くなり、呼吸困難に陥ります。
初期症状としては激しく咳き込んだり、強い胸痛が起こり炎症により狭くなった気管支になって呼吸をするたびにヒューヒューという風切音のような音がします。
<治療>
発作には気管支拡張薬が用いられるとともに、日ごろから気管支の炎症を十分に抑えてコントロールするために病気の初期から吸入ステロイド薬による抗炎症治療が大切です。
重量になると入院してかなり長時間にわたり点滴を行うなどしなくてはなりません。
●肺炎
<原因>
持病やストレス、年齢のために免疫力が落ちているときや炎症が悪化して身体の防御機能を上回った場合などに、病原体が気道を通過して肺に入り込んで肺炎になってしまいます。
<症状>
激しい咳や高熱といった風邪によく似た症状の他、呼吸困難や胸の痛みなどをともなうこともあります。38度以上の高熱、激しい咳、黄色や緑色っぽい痰が出る、呼吸をするのが苦しい、胸が痛いなどの症状が1週間以上続く場合は、肺炎が疑われますので早めに受診しましょう。ただし、高齢者にはこれらの症状が出ないこともあるため、肺炎の発見が遅れる場合もあります。
<治療>
肺炎になる原因の細菌やウイルスを特定し、その病原体に有効な薬を用いて治療致します。
症状が重い場合はすぐに入院というケースもありますが、外来診療ですむ場合が多いです。
●慢性閉塞肺疾患(COPD)
<原因>
外因性危険因子と患者様側の内因性危険因子に分けられます。外因性危険因子には、喫煙、大気汚染、職業上で吸入する粉塵(ふんじん)、化学物質(蒸気、刺激性物質、煙)、受動喫煙などがあります。
<症状>
慢性の咳(せき)、痰と労作性の息切れなどが症状です。COPDはゆっくりと進行して症状が重症化して初めて気づく事もあり、早期に気付きにくいです。
<治療>
COPDで肺胞が壊れたり、細気管支に炎症を起こすと肺機能の低下を起こします。残念ながら、一度破壊され、変化を起こした肺を元に戻すことはできません。
しかし、早く病気を発見して治療を続ければ、症状を和らげたり、病気の進行を抑制することが可能です。
治療には禁煙はもちろんのことワクチンの接種や薬物療法が行なわれます。
●過敏性肺炎
<原因>
家のなかの環境中に存在する真菌であるトリコスポロンを抗原とする過敏性肺炎が最も多く、70%近くを占めています。また、加湿器やエアコンの水やフィルターについたカビが原因でおこる加湿器肺、空調病などもあります。
<症状>
原因となるアレルギー物質を吸い込むことで炎症が起こり、4~6時間後に主に発熱、咳、呼吸困難、息切れ、だるさといった症状が出ます。
<治療>
抗原の吸入を避けるようにすることが前提です。家などの環境が原因の場合は、家のなかの掃除や消毒、腐った木の部分の除去(台所、洗面所、風呂場)、風通しをよくするなどの対策をすることも大切です。また、防御マスクの装着などが効果を示す場合もあります。
薬物療法については、軽度の症状で日常生活に影響しない場合では無治療で経過をみることがあります。中等症、重症では、発熱、呼吸困難、低酸素血症などがあるため、ステロイド薬の経口・点滴投与や酸素吸入が必要な場合もあります。
●非結核性抗酸菌症
<原因>
非結核性抗酸菌抗酸菌が身体の中に入って感染します。傾向としては高齢者に多く、特に最近では閉経後の女性に多く発症しています。感染しても何年もかけて進行する為はっきりした原因が分かっていないのが現状です。
<症状>
自覚症状がまったくなく、結核と同じで咳や痰、血痰・喀血、全身倦怠感などです。進行した場合は、発熱、呼吸困難、食欲不振、やせなどが現れます。
結核のように重症化すると数年で死亡するということはありませんが、10年や20年という年月をかけて進行していくと、呼吸状態が悪くなってしまい亡くなることもあります。
<治療>
治療は基本的には薬を使いますが、薬剤による治癒率は非常に低いのが現状です。
そのため、ある程度病巣が限局されていて症状が強い場合には、外科手術とのコンビネーションが必要であると考えています。非結核性抗酸菌症では、肺の中が空洞化することがあり、空洞化したものについては、薬では治療が困難となります。
●肺結核
<原因>
ヒト型抗酸菌と牛型抗酸菌とによって発症しますが、日本では牛乳の滅菌がしっかりと行われているので牛型抗酸菌による結核の感染症は近年例がないです。
菌を持っている方からの空気感染や飛沫感染が感染経路です。
結核菌は乾燥に強く結核菌は乾燥に強く、一度咳やくしゃみを通して部屋の中に飛散されると、長い時間空中に漂います。それを吸い込んで感染する場合が多いです。
ただ、吸い込んだからといってすぐに発症するとは限らず、潜伏期間が長い方や、一生発症しない方もいらっしゃいます。
その理由は身体の免疫機能が発症を抑えているからなのです。ただし、発症しなくて結核菌が身体の中に溜まっている場合は多くあり、体の抵抗力が下がった場合に発症することがあります。
そのため、免疫力が下がる疾患の方や抵抗力が低くなりがちな高齢者は特に注意した方がよいでしょう。
<症状>
肺結核の主な症状は全身のだるさ、食欲低下、体重の減少や微熱といった非特異的な症状がしばらく続くことが多く、病状が進行すると咳が目立つようになってくることが多いです。
また、これらの他にも食欲不振や息苦しさなどの症状がみられる場合もあります。
<治療>
ほとんどが薬物療法で、3~4種類の薬剤を併用して服用します。服用期間は病状にもよりますが、約6ヵ月から1年です。多くは通院で治療するケースです。
いずれの治療法でも糖尿病などの基礎疾患があったりしますと治療期間は長くなります。
肺結核は重症化の予防のため、子どもにはBCGの予防接種などが行われています。また、集団感染が起きた場合は、必要に応じて抗結核薬を予防的に処方することもあります。